弔いの月に啼く (tomurai no tsuki ni naku) - 五人一首 (gonin-ish) lyrics
[五人一首「弔いの月に啼く」歌詞]
無依とは無縁なり
怨嗟塗れの此岸 塵に埋もれ果無む者無し
行き着く彼岸さえも 汚穢 覆い隠し
もはや偽りの境地と成り果て
塵芥
低き重い空 囲まれし寒村 陽も射さぬ
此処に息衝く者達 ただ陰々 闇あるばかり
黒々 陰翳落とす深き御山
恐れ 忌まれ 疎まれ 崇められ
延々巡る 血と血の雑じり合い
賤しき血は 濁りて怨となり
狭き闇 誰もが逃れる術知らず
日ごと募りし苛立ち 夜ごと蔓延る窮状
罵るがいい 蔑むがいい
溢れ出す鬱積の餌食
降りしきる蟬時雨
世人と接わらん 寂寥の念
贖え 後生まで
才ーイ オーイ オーイ オーイ
新月に白く浮かぶ肌 秘めた瞋恚の炎
透ける頰に落とす陰
もはや痛みすら無く 黒く深い蠹魚となり
ある晴れた日の蟲送りの行列
茹だるような日照りに 青臭く繁る草の匂い
忌み疎む 夥しい蟲
まるで死に赴く重苦しい葬列
抱え込む闇 あまりにも深く
森も静かに啼く
昇るはずの月すら見えない
新しい明日は無い
荒神よ…
ヒーイーヒーイー ヒーイーヒーイー
ヒーイーヒーイー ヒーイーヒーイー
ウツハツ ウツハツ ウツハツ ゥツハツ
ウツハツ ウツハツ ウツハツ ゥツハツ
舞い上がる土埃 咆哮の如し
風切る顔貌 猛々し 空響く幻視の銃口
冥き闇 駆け抜ける荒神 立ち現る
口より溢れるは雄々しい物語り
鈍く光る銃身
深部に触れる重く乾いた音
誰もが破壊に焦がれる
遠くの戦火に在らず
誰と誰が望ましい 指折り数える
躅り寄る不穏な気配
戸口より覗く青白き肌
突き刺さる眼光 鋭く
小さく漏れる息遣い
戦慄覚える
愛おしき生霊 もはや阻むもの無し
緩やかに浸食
浸食
ウツハツ ウツハツ ウツハツ ウツハツ
ウツハツ ウツハツ ウツハツ ウツハツ
汚穢埋まる此の地 当て所無く歩き続ける荒神
ウツハツ ウツハツ ウツハツ ウツハツ
ウツハツ ウツハツ ウツハツ ウツハツ
いずれ背負う闇 いずれ訪れる終焉は近し
ら一ら一ら一ら一 ら一ら一ら一ら一
ら一ら一ら一ら一 ら一ら一ら一ら一
荒神
行き着く彼岸に咲く花 血を糧に狂い咲く
惨劇は怒号共に唐突に
轟く悲鳴 這いずる者達 右往左往
骨まで喰い込む恨み節
肉塊打ち抜く憎悪
無数と倒れし形骸の山
鬼となれ 無慈悲で強い鬼となれ 鬼となれ
永らえる命など無く 今宵 月が背中押す
死せし者 粛然として横たわる
生けし者 浅ましき性
透ける程に白く脆い顔貌 浴びた血 幾許か
甘美な幻想 現身となり
透ける程に白く脆い顔貌 浴びた血 幾許か
甘美な幻想 現身となり
音も無く 押し寄せる情念
高鳴る鼓動 抑える
死に赴く者の魂 地に停まり醜い姿晒す
オーイ オーイ オーイ オーイ
弔う者も無く
ただ行き場の無い聲が漆黒に谺する
此の手に滲んだ夥しい血の匂い
蒼白い月が呑み込む 躊躇いも心残りも
何も無い在りの儘の姿晒し 命断ち切る
静かに 嗚呼 啼く
嗚呼 嗚呼 嗚呼 嗚呼
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