ᐸepisode of verde - part2ᐳ - myth & roid lyrics
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森には、悪しき影が棲むと言われていた。
入ったが最後、影に惑わされ、生きて森を出ることはできないと。
少女は森を奥へと歩いた。
いつしか、過ぎたはずの風景が、何度も繰り返されていることに気づいた。
お前を逃さないと、森が言うように。
疲労と孤独の中で、少女は自問した──自分は間違っていたのか。
両親や街の人に背いてまで、この情熱を貫くべきだったのか──。
いつのまにか、辺りを完全な暗闇が支配していた。
闇の中では、無数の影が蠢いていた。
少女は足を止めた。少女の前に、ひとつの影が立ち塞がった。
影は言った。
「森は、お前の心だ。恐れと迷いは、やがて絶望となりその命を喰らおう」
少女は知った。進むこと以外、道はないのだと。
故郷も両親も、もう失われたのだと。
悲しみは少女の胸を引き裂き、
しかし、やがて一粒の涙とともに消えていった。
「私は、もう迷わない。何より大切なものは、この情熱だ」
その瞬間、目の前の影が炎に包まれた。
炎は激しさを増して辺りへ広がり、少女を囲う。
少女は死を覚悟し、強く目を閉じた。
目を開くと、辺りには光が満ちていた。
木々は消滅し、草原が広がっていた。
彼方に、見たことのない新しい街が見えた。
手には、置いてきたはずの絵筆が握られていた。
少女はその街へ向かって歩き出した。
草原に、一筋の線を描いて。
まっさらなキャンバスに、自由に絵を描くように。
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